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2012-10-13

まとめ読み:次世代の無線技術、LTEの仕組みが分かる from @IT


@ITから、次世代の無線技術、LTEの仕組みが分かる

昨今話題のLTE(Long Term Evolution)、宣伝はよく見かけますが、高速化されるという以外の情報はあまり聞きません。そんなLTEの技術解説、ちょっと古いですがまとまっていたものがありました。


イントロは以下の五つ、まあ読み流しで。

・移動通信の技術ロードマップ
・LTEの特徴
・LTE導入の目的
・標準化動向

この記事のロードマップでは遥か先だったサービス開始時期に到達しているわけで、キャリアとエンジニア達の苦労が偲ばれます。


大きな変化は、3Gではデータ系と音声系の二重構造になっていたのが、全てをパケット化してパケット交換だけのシンプルな構造になったことのようです。それに伴ってネットワーク自体も単純化されていますね。通信はOFDM+64QAM、ダウンリンクでは基地局の制御下で周波数帯を動的に割り付けて広帯域を確保、アップリンクでは周波数固定で端末側の負荷を軽減しているようです。後半はLTEのプロトコルスタックの解説とキャリア側での以降のロードマップ。プロトコルスタックはコンピュータ屋の見慣れた形になっています。全IP化になるのでキャリアは既存のシステムからの移行が大変そうです。

 
前半は高速化技術のキモになる OFDMA、64QAM、MIMOの簡単な説明。この辺りはキチンと説明されても何が何やらの分野ですのでこんなもので充分です。後半は実際にどの程度の速度が出るのかを技術面から見た話。実際の通信速度が決まる要因として上げられていたのが下の5項目。

1. 周波数帯域幅
2. MIMOのタイプ
3. 端末のカテゴリ
4. 無線基地局から端末までの距離(無線品質)
5. 同時通信ユーザー数

4、5は実際に使って見ないと判らないところ。でも1-3はキャリアのサービス品質と端末性能の問題ですから、キャリア、端末を選ぶ時に検討すべき点でしょう。でも今実際にサービス始まっているのにこの辺りの情報は開示されているのでしょうか。調べれば何処かにあるのかも知れませんが、キャリアが積極的に公開してはくれないようです。その代わり、週アスなんかが山手線での実測レポートとか出していましたから、暫くはそういう情報が頼りでしょう。


冒頭は使える周波数帯と帯域の話から。すでに各種携帯サービスで電波使われていますからね。実際のサービスでどのバンドでどれだけ帯域を確保できるかについては電波の奪い合い、総務省での認可とか、技術以外の問題が関わる分野です。

さて、本題はLTEの技術要素の解説。第3回でもさらりと解説されてしましたが、こちらで本格解説になるようです。用語はどれも高速無線通信ではおなじみのものなのですが、理屈と仕組みはまるで判りません。こういうのをきちんと理解できるようになるにはどういう分野の勉強が必要になるのでしょうね。

・OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)
・MIMO(Multiple Input Multiple Output)
・64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)
 
OFDMAを理解するには搬送波(これもキャリア)の直交が重要な概念になるようですが、ここやらここやらを読んでもまるで判りません。一応、データを複数のサブキャリアに割り付けて、それぞれが直交するようにすることでサブキャリアを効率良く使う(配置する)ことができ、そのために同じ周波数帯でも大量の情報の伝送が可能になる、ということのようです。

QAMは変調方式、これは高速モデムなんかで使われてきた技術なので解説的には馴染みがあります(がやはり仕組みはよく判りません)。位相変調(が解らないのですよ)と振幅変調(こちらは古典的)の組み合わせで多数のデータを一度に伝送する変調方式ですね。LTEは最大64QAMで電波状態が悪くなると16QAMにフォールバックするそうです。MIMOはアンテナレベルでの多重化。ある意味電波的な空間分割での伝送路の多重化になるようです。


今回は基地局側のネットワーク技術の話。SON(Self Organizing Network)という技術で基地局の設置、運用の自動化が図られているそうです。このあたりはAdHocネットワーク辺りに縁がありそうです。

Self-Configuration(自動設定)

・基地局を追加する際、バックホールとのコネクションを自動的に設定
・バックホール上のDHCPサーバと連携して自動的にIPアドレスを設定
・基地局の認証、セキュリティの設定
・設定に必要なソフトウェアのダウンロードおよび自動設定
・隣接セルの設定
・基地局とコアネットワークの接続

これはIPネットワークの世界でも自動構成機能として研究されている機能ですね。

Self-Optimization(自動最適化)
Self-Healing(自動修復)

この2つは大雑把な解説ですが、通信状況をモニタして自動的に経路等々を調整する機能に、障害が発生した基地局の検出、それに自動修復(ってどうやるんでしょう、とりあえずのリブートとかでしょうかね)をする機能だそうです。考えて見ればやたらと増大していく基地局、もう人間が個別に面倒を見ていける限界を越えているのでしょうね。

後半は基地局を構成するH/Wの話。筆者氏、ノキア シーメンス ネットワークスのお方ですから、自分のところで出している基地局装備の解説のようです。


解説は、まずは基地局からキャリア側の機能、携帯と基地局の接続シーケンス、そしてハンドオーバの解説と来ています。ユーザー的に気になるのはハンドオーバ(HO)ですが、そのためには前2つの紹介が必要になるのですね。近隣への移動であれば基地局間のやりとりだけでHOができてしまうのですね。近隣基地局で済まない場合にはバックボーンまで介する形になるようですが、3Gでは常にバックボーンまで関わるようなので、LTEではHOも高速化、キャリア側への負荷も軽減されるようです。

後半はQoS制御の話。The Internet では研究されている割に普及しないQoSですが(皆Best Eefortで満足しているようで)、電話系になるときっちり制御しているようです。とはいえ、キャリアから先の The Internet ではまだまだ Best Effort の世界、End-to-End でのQoS制御はまだまだでしょうね。でも、少なくとも同一キャリアの端末間ではきちんと制御されることになるのですね。ただ、キャリアのサービス以外でこれが利用できるのかどうかは判りません。基本、事業者(キャリア)の営業政策次第、といったことのようです。まあ、音声通話は優先してくれそうですが、初期サービスでは音声通話は既存網を利用ですか。QoS付きのVoIP化されるのが待ち遠しいところです。


まずは音声系と切り離したデータ通信系から広まっていったのですね。音声通話の扱いは少々面倒なところ、理想的には全IP化なのでしょうが、それまでは音声だけは旧回線で送るとかの対応が取られているようです。docomoのLTEもそうでしたっけ。後はLTEで使える周波数帯割付の問題。既にGSM、3Gでバンド使いまくっていますからね。そういう意味では既得権益の柵のないところでは一気にLTEが広がるのかも知れません(新興国で固定電話より先に携帯が広まったみたいに)。上の方のバンドならまだ空きがあるのかもしれませんが、利用技術が追いついていないでしょうし、遠くまで届かないという問題もありますし。総務省のページみるとマイクロ波領域で移動通信用の帯域確保のための見直しが行われているようですので、そういうとkろに期待したいものです。

最後のページの冒頭は今までの無線技術との比較、個人的に気になるのはWiMAX(スマホで使っています)の動向ですが、これはどうみてもLTEが広まってきたらそちらに移行してしまいそうです。最後の最後は今後の発展方向の紹介、既に次の高速化の話が出ているそうですが、またまた電波の取り合いになるのでしょう。それこそミリ波あたりを狙わないときつそうです。

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